4月8日、今年も東京六大学野球の春季リーグ戦が開幕した。コロナの規制も緩和され、応援席には各校のOBの姿も見え、ようやく本来の東京六大学野球らしさが戻りつつあるように思えた。第1週目は明治大学対東京大学、法政大学対慶応義塾大学の試合が行われ、明治大学、法政大学がそれぞれ勝ち点1を獲得した。(勝率により現在の1位は明治大学)
土曜日の第1試合の明治大学対東京大学の試合。試合は一時、東京大学が勝ち越しをする場面があったものの、リーグ3連覇のかかる明治大学が同点に追いつき延長戦へ。10回裏に明治大学が堀内祐我選手の犠牲フライでサヨナラ勝ちを決めた。明治大学の先発の村田賢一選手は7回3安打無失点の好投で、4回以降は無安打という開幕投手としての役割を見事に果たした。第2試合の法政大学対慶應義塾大学は初回から試合が動いた。5番高原侑希選手が2アウト1ボール1ストライクからレフトへの3ランホームランを放った。チームの勢いはそこから止まらず10安打10得点の猛攻。高原選手はこの日、5打数3安打7打点の大活躍。投げては先発の尾﨑完太選手が7回3安打無失点の好投で試合を作った。
日曜日の第1試合の法政大学対慶應義塾大学の試合は、内海貴斗選手の2ランホームランにより、前日と同じく法政大学が先制。法政大学の先発篠木健太郎選手は昨年2年生ながら大学生の侍ジャパンに選ばれている。8回114球を無失点で投げ切り、8つの三振を奪った。2回から8回までスコアボードには両者0が並び、このまま法政大学が逃げ切るかと思ったが、9回表に慶應義塾大学が逆転。佐藤一朗選手のツーベースで同点に追いつくと、村上真一朗選手がレフトへの2ランホームランを放った。このまま慶應義塾大学が逃げ切り、共に1勝ずつとなり、決着は月曜日となった。第2試合の明治大学対東京大学ではプロ注目の選手たちが初回から活躍。篠木選手同様に昨年2年生ながら大学生の侍ジャパンに選ばれている3番宗山塁選手が1アウト2塁の場面で2ボール2ストライクからタイムリーを打って先制。宗山選手は出塁すると盗塁も決めている。そして同じく代表に選ばれている4番でキャプテンの上田希由翔選手は1アウト2塁フルカウントから高めの球をとらえ、ライトへの2ランホームランを放った。その後、2回と6回に東京大学も得点を重ね同点に追いつく展開となるも、9回に明治大学が勝ち越しし、勝ち点1を掴んだ。リーグ連覇中の明治大学を相手に東京大学も粘り強い野球を見せてくれた。次の試合にも期待したい。
そして月曜日までもつれこんだ法政大学対慶義塾大学の試合。内海貴斗選手のタイムリーによりこの日も法政大学が先制。3回裏には悪送球により慶應義塾大学が同点に追いつき、7回まで0点が続く両者譲らない展開に。試合が動いたのは8回表、法政大学の𠮷安遼哉選手のタイムリーによって法政大学が勝ち越し。その後、前日に見事なピッチングをし、この日も5回から登板していた篠木健太郎選手がタイムリーを放ち1点を追加した。9回表にはキャプテンの今泉颯太選手がライトへのソロホームランを放ち、ダメ押し。9回裏は篠木選手がきっちり3人で抑え、勝ち点1を法政大学が獲得した。
開幕して1週目から熱い試合が繰り広げられ、選手たちの生き生きとしたプレーを見ることができた。今週末の東京六大学野球は早稲田大学対東京大学、立教大学対法政大学の試合が行われる予定だ。WBCやプロ野球にも負けない選手たちのプレーを観戦しにぜひ神宮球場に足を運んでみてほしい。